A03-9 熱帯・極域と双方向作用する中緯度域の気候変動と将来変化

A03-9 気候変動班

研究代表者

時長 宏樹九州大学

研究分担者

小川 史明東京大学
山本 絢子桜美林大学
森 正人九州大学
望月 崇九州大学
谷本 陽一北海道大学

ポスドク研究員

研究協力者

小坂 優東京大学、A01-3代表
今田 由紀子東京大学、A01-3分担
野口 峻佑九州大学、A02-6分担
釜江 陽一筑波大学、A03-8分担
佐藤 友徳北海道大学、A03-8代表

中緯度帯に位置する日本の気候は、熱帯の海面水温変化や北極の海氷融解など、遠隔的に連動するグローバルな気候変化の影響を強く受けている。このようなグローバルな気候変化に加え、近海の黒潮や対馬暖流からの熱・水蒸気供給や、東アジアモンスーンといったローカルな現象の変化など、日本の気候に中緯度大気海洋系が果たす役割もまた変化していると考えられる。本課題では、熱帯・極域と双方向作用する中緯度の気候変動の実態を解明し、その将来変化を不確実性も含め評価することを目的とする。

  1. エルニーニョ現象に代表される熱帯の大気海洋結合現象や熱帯海盆間相互作用の将来変化が中緯度気候に及ぼす遠隔影響と、中緯度海洋の温暖化が熱帯・亜熱帯の気候に及ぼす遠隔影響のメカニズムを調査する。
  2. ブロッキング高気圧や偏西風蛇行の増幅に対する中緯度大気海洋相互作用の役割を解明する。
  3. 北極海氷融解が引き起こす北極-中緯度間の遠隔影響の将来変化、および将来気候において中緯度海洋の十年〜数十年規模変動が北極気候変動に及ぼす遠隔影響メカニズムを探求する。

以上の課題に対し、大気海洋結合モデル相互比較プロジェクトCMIPのマルチモデル数値実験解析、大気大循環モデルの大規模アンサンブル数値実験、大気海洋結合モデルのペースメーカー実験、および機械・深層学習等を用いた統合的なアプローチにより研究を実施する。

(左)2023年11月における海面水温の平年値からの差。
(右)2023年9月における海氷面積。ピンクの線は 1985年9月における海氷の縁辺を示している。