A03-7 黒潮大蛇行と海洋極端現象の過去・現在・未来:予測可能性と海洋生物資源への影響

A03-7 大蛇行班

研究代表者

碓氷 典久気象研究所

研究分担者

川上 雄真気象研究所
大石 俊理化学研究所
児玉 武稔東京大学
日下 彰水産資源研究所
美山 透海洋研究開発機構
小松 幸生東京大学

ポスドク研究員

研究協力者

林田 博士海洋研究開発機構、A02-6分担
広瀬 成章気象研究所
瀬藤 聡水産資源研究所
宮澤 泰正海洋研究開発機構
浅井 博明気象庁
坂本 圭気象庁
戸川 裕樹気象庁
由上 龍嗣水産資源研究所
上村 泰洋水産資源研究所
古市 生水産資源研究所
伊藤 大樹水産資源研究所

黒潮は、日本周辺の温和な気候の形成や豊富な海洋生物資源を育む上で重要な役割を担っている。しかし、黒潮域では、急速な海洋温暖化の進行とともに、近年は大蛇行の歴史的長期間持続や海洋熱波の頻発など、これまでと異なるレジームが見え始めている。本計画研究では、海洋生態系や海洋生物資源へ大きな影響を及ぼす、黒潮大蛇行、海洋熱波、急潮、異常潮位等の海洋極端現象に焦点を当て、その物理メカニズム、予測可能性と将来変化、そして海洋生物資源への影響を包括的に理解することを目的とし、以下の課題に取り組む。

  1. 国内の主要な黒潮予測システムを用いて、アンサンブル手法による海洋極端現象の予測可能性を評価する。
  2. 長期海洋再解析データ、高解像度海洋モデルによる将来予測データを用いて、海洋極端現象の長期変化の実態とその将来変化を明らかにする。
  3. 海洋極端現象が栄養塩の3次元的な分布と供給プロセス、そして植物プランクトンの生産力に及ぼす影響を明らかにする。
  4. 主要浮魚類の卵稚仔データを解析し、海洋生物資源の変化に重要な産卵場形成・初期生残と海洋極端現象との関係性を明らかにする。
  5. 海洋極端現象による海洋環境の変化が海洋生物資源へ与える影響を明らかにする。
黒潮予測システムで再現された2023年9月中旬の海面水温偏差と海面流速