A01-K102 急激に高温化する北日本海洋:船舶・バイオロギング観測を用いた実態解明

A01-K102班

研究代表者

吉田 聡京都大学

研究協力者

佐藤 克文東京大学
依田 憲名古屋大学
井上 漱太名古屋大学
本田 明治新潟大学、A01-2代表
立花 義裕三重大学、A01-2分担
西川 はつみ海洋研究開発機構、A01-2分担
小松 幸生東京大学、A03-7分担

近年、日本周辺の海面水温は世界平均の2倍の速度で上昇を続け、それに伴う豪雨災害も増加している。特に、北日本周辺の水温上昇は世界でも類を見ず、経験的に整備された既存インフラの限界を超えた豪雨や台風災害が発生している。また、ヤマセと呼ばれる冷たい北東風の弱化に伴う下層雲減少が更なる海面水温上昇をもたらしている。この海水温の上昇は海洋生態系にも影響し、従来、東北沿岸や北海道南岸で採餌していた東北地方の海鳥がオホーツク海まで飛行し、ウミガメは北海道沿岸まで北上している。本研究では、計画研究班が実施する船舶観測と連動して、小型マイクロ波放射計、ラジオゾンデ、バイオロギングを用いた海陸同時高頻度鉛直観測を実施することで、北日本周辺の高海水温が海面からの大気への水蒸気供給、海上水蒸気量分布、海洋性動物の行動に及ぼす影響を明らかにし、本研究領域が目指す、人間の生存基盤の理解と将来変化の予測に貢献する。